関係代名詞と前置詞の位置 英語文法解説 上級編 part 55

文法解説-上級編
この記事では、英語の学習塾で8年以上の指導経験がある筆者が、分かりやすく易しい英文法解説をしています。ケンブリッジ大学で出版された文法書シリーズを参考にしており、初級編・中級編・上級編のそれぞれを解説しています。簡単なイラストを交え、中学生から社会人まで、幅広い層に対応できる英語の文法学習を提供しています。筆者は生徒たちから「分かりやすい!」と評判であり、その指導経験を活かした文章が魅力です。ぜひ、英語の学習に役立ててみてください。
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第55回:前置詞+関係代名詞の形を作る時とは、どんな時?

関係代名詞の使い方を、今回でマスターしてしまいましょう!

Q. この記事で、一番大事なことって何?

A. 大事なことを、1枚の画像にまとめました。

いちいちノートにまとめるのが面倒だという方、また、
ノートにまとめることが苦手だという方は、ご活用ください。

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関係節における前置詞の使い方

まずは、形式的なスタイルにおいて、名詞 + “of which” が “whose + noun” よりも好まれることがあります。例えば、「A huge amount of oil was spilled, the effects of which are still being felt.」という文は、「膨大な量の油が流出し、その影響がまだ残っている。」という意味になります。また、「that/which… of」の形式を使うこともできます。例えば、「The school of which she is head is closing.」という文は、「彼女が校長を務めている学校が閉鎖される。」という意味になります。しかし、より非形式的な表現では、「The school (that/which) she is head of is closing.」と言うことが一般的です。

また、「both」の後には「of which」と「of whose」の両方が使えますが、通常は「which」や「whose」の代わりに使われます。例えば、「Lotta was able to switch between German and Russian, both of which she spoke fluently.」という文は、「ロッタはドイツ語とロシア語の両方を流暢に話すことができた。」という意味になります。

次に、「whose」は、形式的な文章や主に書き言葉では、前置詞の後ろに置くことがあります。(=前置詞+whose)しかし、非形式的な文章や話し言葉では、前置詞を節の終わりに置くことが自然です。例えば、「I now turn to Freud, from whose work the following quotation is taken.」という文は、「さて、フロイトに話を移しますが、次に引用するのは彼の著作からです。」という意味になります。この文では、「whose」が前置詞「from」の後に置かれています。非形式的な表現では、「Freud, whose work the following quotation is taken from.」と言うことが一般的です。


関係代名詞「which」と「whom」に前置詞が必要な場合、形式的なスタイルでは通常、前置詞を関係代名詞の前に置きます。例えば、「The rate at which a material heats up depends on its chemical composition.」という文は、「物質が加熱する速度は、その化学組成に依存する。」という意味になります。また、「among whom」のように、前置詞の後に「whom」を使用することもあります。例えば、「There are 80 teachers in the Physics Department, among whom 24 are professors.」という文は、「物理学科には80人の教師がいますが、そのうち24人が教授です。」という意味になります。

非形式的な英語では、前置詞は関係代名詞の後ろに置かれることが一般的です。例えば、「The office that Juan took us to was filled with books.」という文は、「私たちを連れて行ってくれたオフィスには本がいっぱいでした。」という意味になります。ここでは、「that」の後に「to」が置かれています。また、「whom」の代わりに「who」(または「that」)を使うことが好まれます。例えば、「The playground wasn’t used by the children who it was built for.」と言うことが一般的です。

さらに、関係節の動詞が2つの単語で構成される場合(例:come across, fill in, look after, take on)、通常は前置詞を関係代名詞の前に置きません。例えば、「The Roman coins, which a local farmer came across in a field, are now on display in the National Museum.」という文は、「ローマの硬貨は、地元の農夫が野原で見つけたもので、現在は国立博物館で展示されています。」という意味になります。ここでは、「coins」の後ろに「across」が置かれることはありません(came across で一つの単語とみなしているため)。3つの単語で構成される動詞の場合、非常に形式的な文体や文学的なスタイルでのみ、前置詞を関係代名詞の前に置くことがありますが、多くの人々はこの表現を避けます。

以上が、関係節における前置詞の使い方についての解説です。

具体例

  1. In formal styles, we often prefer “noun + of which” over “whose + noun”:
  • A new factory was built, the scale of which is impressive. (or … whose scale is impressive.)
  • The company, the success of which is undeniable, is expanding rapidly.
  1. In formal, mainly written English, “whose” can come after a preposition in a relative clause. In informal and spoken English, it is more natural to place the preposition before “whose”:
  • He arrived at the house, from whose balcony he could see the entire city. (less formally… the house, whose balcony he could see the entire city from.)
  1. When a preposition is needed with “which” and “whom” in a relative clause, we usually place it before the relative pronoun in formal styles:
  • The team for whom the trophy was awarded celebrated their victory.
  • He told us about a book in which he found the answer.
  1. If the verb in the relative clause is a two-word verb, we usually don’t place the preposition before the relative pronoun:
  • The document, which she forgot to sign, caused a delay in the process. (not… which the sign was forgotten to by her.)
  • He has a friend whom he can always rely on.

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Q. この文法はどうやって使うのでしょうか?

A. 今回文法を活用した会話文を見てみましょう。

Hey, have you heard about the new art exhibition?
(ねぇ、新しいアート展のこと聞いた?)

No, I haven’t. What’s it about?
(いや、聞いてないよ。それは何の展示なの?)

It showcases the works of various artists, some of whose pieces were inspired by nature.
(さまざまなアーティストの作品を紹介していて、その中には自然に触発された作品もあるんだ。)

That sounds interesting. Is there a particular artist whose work you’re looking forward to seeing?
(なるほど、興味深いね。特にどのアーティストの作品を見るのが楽しみ?)

Yes, there’s a painter whose landscapes are truly mesmerizing. The exhibition will feature several of his paintings, the details of which are exquisite.
(そうだね、風景画が本当に魅力的な一人の画家がいるんだ。展示では彼の絵がいくつか特集されるんだよ。細部のディテールが素晴らしいんだ。)

I’m intrigued! When does the exhibition start?
(それは興味深い!展示はいつ始まるの?)

It opens next week. The gallery, in which the exhibition will be held, is known for its impressive collection.
(来週オープンするんだ。展示が行われるギャラリーは、素晴らしいコレクションで知られているんだ。)

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Q. この記事の要点は?

A. 関係詞節における前置詞の使い方を確認しました。

  1. 形式的なスタイルでは、名詞 + “of which” が “whose + noun” よりも好まれることがあります。
  • A huge amount of oil was spilled, the effects of which are still being felt.(d whose effects are still being felt.)
  • The school of which she is head is closing.(少なくとも形式弱めには The school (that/which) she is head of is closing.)
  1. 形式的で主に書かれた英語では、”whose” は関係節の前置詞の後に置かれることがあります。しかし、非形式的で話し言葉では、前置詞は節の終わりに置くのが自然です。
  • I now turn to Freud, from whose work the following quotation is taken.(より形式的… Freud, whose work the following quotation is taken from.)
  1. “which” や “whom” と組み合わせて前置詞が必要な場合、形式的なスタイルでは通常、前置詞を関係代名詞の前に置きます。
  • The rate at which a material heats up depends on its chemical composition.
  • There are 80 teachers in the Physics Department, among whom 24 are professors.
  • Is it right that politicians should make important decisions without consulting the public to whom they are accountable?(より形式的… the public to who they are accountable.)
  1. 関係節の動詞が二語動詞(come across, fill in, look after, take on など)の場合、通常、前置詞は関係代名詞の前に置かれません。
  • The Roman coins, which a local farmer came across in a field, are now on display in the National Museum.(より形式的… coins, across which the local farmer came, are…)
  • 3語動詞の場合、非常に形式的な文体や文学的な文体でのみ、前置詞を関係代名詞の前に置きます。しかし、多くの人はこのパターンを避けます。
  • She is one of the few people to whom I look up.(もしくは少なくとも形式弱めに… who I look up to.)

次回の文法解説は?

この記事を作る際に参考にした文法の解説書になります。
すべて英語で書かれていますが、練習問題が付いてます。
イギリス英語なので、スペル等の表記が異なる部分もありますが、
「使い方を練習したい」「繰り返し問題を解きたい」
という方は、使ってみても良いかもしれません。

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