2022 4/25~5/1 孤独感という言葉に隠れる本当の感情

「孤独感を感じる」ということに対しては、デメリットが多いということを
よく耳にするが、「孤独感」とはなんだろうか。ということを考えてみたい。

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孤独・孤立に関して、全国調査が行われたらしい。

政府が、「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」の結果を、
令和4年4月8日に公表していた。
全体的に見ると、約4割の人が孤独を感じているという結果になっていた。
詳細が気になる方は、リンクよりご覧ください。

調査結果の概要(PDF/5,616KB)
出典:「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」(内閣官房ホームページ)
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodoku_koritsu_taisaku/zittai_tyosa/zenkoku_tyosa.html)
(令和4年5月1日に利用)

この結果が、今週、色々と考えていた事と合致する内容になっていた。

注目すべき点は、全体的な結果ではない。
考えたいことは、その詳細にある。
気になる詳細を列挙してみよう。

  • 2、30代が孤独を一番感じており、30代の割合が一番高い。
  • 未婚の方の孤独感を感じる割合が高い
  • 最終学歴に関わらず、孤独感を感じている
  • 失業中や、派遣社員の方の孤独感を感じる割合が高い
  • 世帯年収が上がるにつれ、孤独感を感じる割合が減少する
    (統計的有意差があるかと言われると、そこまで計算してないため
    分からないが、パッと見た感じ、1500万以上の収入がある方たちは、
    孤独感を感じる割合が少なそう。)
  • 外出しない人たちの孤独感を感じる割合は高い
  • 直接誰かに会ったり、SNS等を使って話す機会が少ないほど、
    孤独感を感じる
  • 相談相手がいない人は孤独感を感じている割合が高い。
  • 現在孤独感を感じている人は、長期的に孤独感を感じている

ざっくりとこんな感じだろうか。
調査結果を見ていてグサグサ刺さる内容があってしんどかった…

ひとまず、これらの内容について考察してみましょう。
というのが、今週のテーマ。

「孤独感」という言葉を使うことの違和感

まずはお決まりの、言葉そのものをよく考えてみようのコーナーから。
辞書では、どうなっているのでしょう?

「孤独」:仲間や身寄りがなく、ひとりぼっちであること。
思うことを語ったり、心を通い合わせたりする人が1人もなく寂しいこと。

(参照:デジタル大辞林)

まぁ、それはそう。

じゃあ、1人でいることが悪いか。
というと、1人で何かをするのが好きな人もいるから、
一概にそうとは言えないだろう。

そもそも、現在「孤独を感じている」人は、人付き合いが苦手な人も、
そうでない人、むしろ、人付き合いが得意な人もいるはず。

たった一言、「孤独感」という言葉を使って、
あなたは、「孤独感」を感じていますか?という質問に、
→はい  →いいえ どちらかで答えてください。

「はい」と答えた方は、誰かを頼りましょう。
「いいえ」と答えた方は、これからも素晴らしい人生をお過ごしください。

↑この流れって、おかしいよね?
というのが、今回考えたい内容。

「孤独感」に隠れている本当の感情って…

文字通り、「孤独感」だけが問題になるならば、
「失業中や、派遣社員の方の孤独感を感じる割合が高い」
「世帯年収が上がるにつれ、孤独感を感じる割合が減少する」
この2つのような特徴は持たないはず。
流石に、1人や2人は、相談出来る人いるでしょ。と思いたい。
そんな人すらいないという人もいるかもしれないけど。

さて、「孤独」という言葉で片付けようとすると、
そこにあるのは、「鶏がさきか卵がさきか」という問題です。

「孤独」を感じる原因は、
①「頼れる人がいない」→「自分は1人だ…」の流れなのか、その逆か。
②「人付き合いするほど余裕がない」→「あれ、気づいたら1人じゃない?」
なのか、その逆か。
③「頼れる人もいないし、人付き合いの余裕もない」→「1人で生きるしかない」
となってしまったのか、その逆か。

と、この流れになってしまって、結局、結論は出ないよね。だから、
仕方ないけど、生きるしかないね。となったのでは、良くない。

そもそも、自分としては、この手の議論は、言葉の使い方を正すところから始めたい。
つまり、「孤独感」という言葉は適切なの?
ということだ。

この問題を、ちょっと別の視点から捉えると、別の言葉を使った方が良いように思える。
別の言葉、適した表現は、「安心感」なのではないか。
この「安心感」を基準にして、もう一度、問題を捉え直してみたい。

  • 2、30代が孤独を一番感じており、30代の割合が一番高い。
    ↑将来が不安。なんか漠然と不安。安心できない世代。
  • 未婚の方の孤独感を感じる割合が高い
    ↑自分の人生は、一生このままなのか。誰かと一緒にいて安心したい。
  • 最終学歴に関わらず、孤独感を感じている
    ↑自分の能力では生きていけないのでは?安心できない。
  • 失業中や、派遣社員の方の孤独感を感じる割合が高い
    ↑お金が…安心できない。
  • 世帯年収が上がるにつれ、孤独感を感じる割合が減少する
    ↑余裕が出来てきた。ちょっと安心。
  • 外出しない人たちの孤独感を感じる割合は高い
    ↑外出するほど余裕がない。使ったら余裕がなくなる。安心できない。
  • 直接誰かに会ったり、SNS等を使って話す機会が少ないほど、
    孤独感を感じる
    ↑安心して話せる相手が少ない。↓
  • 相談相手がいない人は孤独感を感じている割合が高い。
  • 現在孤独感を感じている人は、長期的に孤独感を感じている
    ↑もう、ずっと安心なんてものはない。先行き不安がついて回ってる。
    もう、ずっとキングボンビーが後ろにいる。

とまあ、「安心感」をキーワードにすると、
ちょっと視界が開けたように思える。

治安的な「安心感」はあっても、
精神的な「安心感」はもたらされない国、日本。
2022年度版世界幸福度ランキング54位の実力ですね。

結局、生きるのには「安心感」が必要なのよ。

だから、保険に入ろう。って言うわけではないし、その必要もないと思ってる。
保険を購入して得られるのは、
「自分は、「安心」を買っているから大丈夫」という、肯定感。
「トイレットペーパー買ったから大丈夫。」と同じ発想。
宝くじを買って、「夢」を買っているようなもの。

精神的な「安心感」は、「購入するもの」ではない。
もしかしたら、公的補助の知識が安心をもたらすかもしれないし、
マネーリテラシーが安心をもたらすかもしれない。
「人間関係に関するスキル」を身に着けたらもたらされるものかもしれないし、
自分自身の能力を向上させることで、もたらされるものが「安心感」なのかもしれない。

いずれにしろ、「安心感の欠如」が「孤独感」を生んでいる
この流れが一番納得できた結論だった。

「安心できる場所を見つければいい。」もしくは、
「安心できる人間関係を築ければいい。」
エヴァにこんなセリフあったね。そういえば。
『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』だったかな?
カヲルくんという安心出来る場所が無くなった後は、大変だったね。碇シンジ君。

周りに人がいても、「安心」出来ないと意味がない。
周りに人がいなくても、「安心」出来る人もいる。←これは、かなり少数派だと思う。

さて、自分自身の「安心」を得るためには、何をするべきなのだろうか。
「人間関係」なのか、「スキルアップ」なのか。
困ったら、過去の自分と比べて、「あの頃よりはマシになったなぁ。」と
成長したことに対して「安心」しておくことが大切かもしれない。

一番ダメなのは、辛い状況でも、
「〇〇の人たちは、もっと苦しい思いをしているんだから。」
と他者と比較してしまうこと。
今の自分が苦しんでいることを無視することが、一番良くない。
「〇〇の人たちは、…」と、別の誰かと比べたがる人たちは、言ってしまえば、
足を骨折した人を見て、その人に向かって、まぁ、歩けるんじゃない?
もっと酷い人を見たことがあるし。みたいなことを言っているようなもの。

「その状況が辛い」っていう時に、
「お前は報われないから。なんなら、搾取してやろうか?」
なんて言われてみな?もう、絶望だね。

「身体だけではなく、心も大切だ」とTEDでスピーチしていた人もいる。
心にも手当ては必要。↓これ、字幕あるかな?

今を生きるためには、「心に安心感」が必要。
この「安心感」をどうすれば得られるのだろうか。
「孤独感」という問題から、大きく発展してしまったような感じがするけれど、
「安心感」を得られるならば、人はもう少し、余裕を持てるような気がする。
自分を無理に追い込んでしまうことも少なくなるのではないだろうか。

「安心感」を得る。これは、明日からどうのこうの出来る問題ではないけれど、
自分にとって適した「安心感」はどういったものなのかは、考えても良いのだろう。
ゴールデンウィークだし、のんびり自分だけの「安心感」について考えてみようか。

そんなことを考えた一週間。もうちょっとだけゆっくり休もうか。

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